学生カットについての僕なりの考え方

こんにちは。栃木県那須塩原市の美容室hairsalon iLii 西那須野で美容師をしている岡田です。

僕は15年美容師をやってきて、老若男女、いろんな人を切ってきました。

15年経った今でも思うのは、美容というもの、特にカットというものは奥が深く、色んな人の色んな要望に合わせなくてはいけないのだけれど、

今回は子どものカットについて、学生カットというものに対する僕の考えをまとめてみることにします。

若いうちから良いものに触れておくこと

iLiiでは、学生のお客様には学割料金があって、カットの料金を通常よりも少しだけ値下げしてをカットさせていただいているのだけれど、

高校生・大学生は4320円、中学生以下は3240円(どちらも税込価格)と、

それでも同じ地域の他の美容院よりは少し高めのカット料金をいただいていると思います。

世の中には1000円カットで済ませるサラリーマンもいるんだから、それでも「高い」というお客様はいると思うのだけれど、

それは色んな形の美容室があるんだからお客様が選べばいいのかなというのが本心で、そこに熱をあげて議論することではなくて、

人それぞれの選択肢があるのはいいことだ。ってことで十分だと思ってる。

 

僕個人の考えとしては、15年間の美容師人生で自分がやってきた経験や技術はそんなに安いものではないと思っているし、

「技術職」として自分の人生をかけて身につけてきた技術の価値は下げたくない。

今でもその価値を高めていきたいと思っているから、技術を安売りすることはしたくないといつも思ってます。

僕が今こうやってこの値段でカットするまでに過ごして来た美容師人生には、何百万も、何千万もかかっているし、何万時間も費やしてきたから。

だから15年経った今でもさらに上を目指すし、そうあることが僕なりの誠意だとも思ってる。

このサロンをオープンする前にメニューの値段を決めるときに色々考えて、

学生料金は無くしてもいいかなって最初は思ってたんだけど、結局その値段にすることに落ち着いて、

うちのサロンではこの料金でやるって一応決めたんだけど、これからどうするかはわからない。(僕個人は一律にしたいと思ってる)

 

価値なんてものは高いか安いかを決めるのかは結局お客様次第なんだけど、学生カットについては切りに来るその人自身というよりも親の判断なのかも知れない。

うちのカットが良いか悪いかはおいといて、

それでも、僕は学生の若いうちから「良い経験」はした方がいいと思ってる。

デザインの秀れた服を着る、質の高いものを纏う、良い技術や接客を受ける、美しい作品を観る、美味しいものを食べる、芸術に触れる、

それを若い頃に身を以て体験することは今後の人生の糧になる。

若いうちにした良い体験というものは、今後時間をかけて自分に何十倍にも、何百倍にもなって返ってくる投資でもある。

若い頃の経験は後からお金では買えない。だから多少無理をしてでも興味があるものはなんでもやった方がいい。

そうして出来た若い頃の思い出というものは、時間が経っても忘れないでいられるんだと思う。

だから僕たちのサロンが提供することやものは、アットホームな親しみやすさよりも、質の高いものでありたいと思ってる。

大人になった僕が今そう思うのは、僕が子どもの頃に体験した背景や思いみたいなものもあって、いい機会だから少し話しておこうかと思います。

子どもが大人になれない理由

二つ前のブログでも書いたけど、僕が美容師になるって決めたのは中学生の頃だったけど、

「美容師になる」って決めたけど、美容室に行ったことがなくって、中学生の時に初めて美容院に行った。

それまで髪を切っていたのは子供の頃から親と一緒に行っていた床屋さんだった。

そこの床屋さんは人柄も大好きだし、美容師になった今でも上手だって思うくらいの腕前だから、何が嫌ってわけじゃないんだけど、とにかく僕は美容師になるんだから「美容室」に行ってみたくて、

「美容室」に行ってた友達に「美容室」ってものを教えてもらって初めて美容室に行ったんだ。

 

中学生ってのは周りから見るとやっぱり「子ども」なんだけど、その頃の自分では子ども扱いされるのが嫌で、早く「大人になりたい」って思ってた。

自分の中では自立したいけど、自分で働くこともお金を稼ぐこともできなくて、どうしても親に面倒みてもらわないといけない。

子どもと大人の中間地点みたいなところにいて、尾崎豊は盗んだバイクで走り出したけど、僕は学校の窓ガラスも割らずにキレイに拭いて磨いてた。

いわゆる思春期とか反抗期とかがある難しい時期なんだと思うけど、そのどっちにもなれない僕の場合も、心の中はまさにその状態だった。

いつもの床屋さんは昔から知ってるから僕はその人の中ではやっぱり子どもだった。

だから、親には「いつもの床屋に行く」って行って親にカット代をもらって、友達に教えてもらった美容院に行った。

いつもの床屋さんより美容院の方がカットの値段が高かったから、足りないお金は毎週買ってたジャンプを買うのを1ヶ月間我慢して貯めた、なけなしのお小遣いでまかなった。

そんな思いをしながら、人生で初めての美容院に行ったんだけど、やっぱり美容室でも子ども扱いされてしまったんだよね。

それ、大人にはしないでしょ?ってことが普通に起こった。かっこいい美容師の想像とは違ってた。

子どもが大人になれない理由って、実は周りの大人のせいかも知れない。ってそれから思うようになった。

まぁ仕方ないかなって今なら思うけど、初めて行った美容室は僕がこうなりたいと思ってた「美容室」とは違ってた。

TVで見てた「カリスマ」はそこには居なかった。

だから、僕はここにいちゃダメだって再確認した。別に下に見てるわけじゃない。この土地にいたらいつまで経っても僕は「岡田さん家の子ども」のままだから。

誰も僕のことを知らないところにいかなきゃって思ったのを今でも覚えてる。

子どもを子ども扱いするな

僕は学生カットで来てくれるお客様を子ども扱いはしない。

大人と同じように接するし、敬語も使う。カウンセリングもしっかりするし、もちろんカットも手を抜かない。

例え年がどんなに離れていたとしても、お金と時間をいただいている以上、他のお客様と同じように僕は限りを尽くす。

それに、子ども(学生)のカットはみんなが思っている以上に難しい。

大人に比べて頭も小さいし、髪の毛のくせもまだ決まっていない人もいる。

すぐに飽きてじっと座っていられないし、耳周りを切っている時に横を向いたりしてヒヤッとする事も多い。

高校生までは大人みたいにワックスもつけられないしアイロンを使ったりセットも出来ない。

部活で疲れてドライヤーもしないで寝てしまえば寝癖もすぐにつくし、たくさん汗もかいて髪もバサバサになるし、すぐに形は崩れてしまう。

それでもカットだけで可愛く、かっこよくしなければいけない。髪型が変だと学校で笑われてしまう。

そんな子ども(学生)のカットにこそ、技術が問われる。

だからカットする僕も真剣にならなければ失礼だと思う。

子どもの生きている世界は、当たり前だけど大人より狭い。

だけど、子どもはどこにいてもたくさんの夢や可能性であふれている。

その割には、子どもの頃に接する大人たちの数はしれている。

子どもにとっては、身の回りに起こる出来事が世界の全てだったりする。

世の中のこともわからないうちに、自分の将来を決めなければいけない。

どんな仕事があるかなんて、身の回りの大人がやっていることくらいしかイメージ出来ていないのに、

本気で仕事に向き合ってる大人が少ないんじゃあ未来に夢も見れないだろう。

格好良い大人たちで溢れる社会に

僕は色んな大人を見て育った。自分が嫌な思いをすることは僕が子どもから大人になる過程で必要だった。

ああはなりたくないって自分に誓ったこともある。

自分が選んだ会社の愚痴をいうくらいなら自分でやればいいじゃんて思った。だから自分で店を開いた。

大人になった人の自分の人生なんて、自由に生きればいいと思ってる。

どう生きていくのかなんて自分で決めて自分で責任取れれば、好きにすればいい。

だけど、子どもは思ってる以上に大人たちのことをちゃんと見てると思うよ。

だから僕は、大人になった今でも本気で物事と人に向きあうし、年下だからって人を自分より下に見たりしない。

僕の方がただ先に生まれただけで、ただそれだけのことで人の優劣なんてものはそこにはない。

 

子どもをバカにするな。子ども扱いするなよ。

子どもは子どもなりに狭い世界だとしても必死で生きてるよ。少なくとも僕は必死で生きてたよ。

失望させるようなことをするなって。大人になりたくないって、働きたくないって言わせんな。

僕たち大人がこれからの世の中を担う人たちに、そんな未来を見せるなよ。

大人が仕事してる姿って、すげー格好いいんだよ。

本気で物事に向き合うことって、恥ずかしいことなんかじゃない。

出来ないことを出来るようになるって、すごいことなんだよ。

自分が身につけたものややって来たことで人様のお役に立てるって、楽じゃないよ。

だけど、人に笑顔になってもらうのって、すげー気持ちがいいんだ。

ありがとうって言われると、嬉しくなるだろ?

大人になるって、いいことなんだよ。

大人になるって、もっと楽しいことだらけなんだよ。

だから早くこっちへこいよ。

早く来ないと追いつけないぞ。

自分の仕事に誇りを持って働く大人たちの姿を、子どもの頃に僕はたくさん見たいと思ってた。

そんな子どもだった僕は東京へ行って、大人になって地元に帰って来た。

僕が初めて行った美容室は、もうそこにはない。

そんな地に、代わりに僕が新しく美容室を作った。

今僕は、都会に行かなくても、格好いい大人たちが働いてる美容室を見せたいと思ってる。

例え地元を離れても、そんな人たちがいる地元の姿に、誇りを持ってもらいたいと思う。

一人の人間として美しくする

だから僕たちは学生カットでサロンに来るお客様を子ども扱いはしない。

大人と同じように、ちゃんと一人の人間として美しくする。

若い頃にしかない素朴さや純粋さがある。子どもと大人の中間のもどかしさがある。

そんなモヤモヤとした、その時にしか抱けない思いを形にする。

今まで生きて来た中で一番格好良くするし可愛くする。

自分に自信がつくだけで、ほんの小さなきっかけで、人生は変わっていく。未来は広がっていく。

そんな僕たちが働く姿を見て、「美容師って素晴らしい仕事だ」って思ってもらえるなら僕たちは嬉しい。

僕も、私もああいう大人になりたいって、思ってもらえたら最高だと思う。

僕たちが髪を切ったのがきっかけで美容師になるキッカケがうまれて、そんな人たちといつか一緒に仕事がしてみたい。

人の心を動かすのは、いつだって「思い」のあるところだと僕は思う。

決して僕たちは上手くはない。派手でもないし、まだなんにも一番になれてない。

だからせめて美容に対しての思いだけは、誰よりも持っているサロンでありたいんス。

 

学生さんには、是非ともなけなしのお金持ってサロンに来て欲しい。

そのお金で、僕たちはあなたを今までで一番、かっこよく・可愛くするからさ。

見ててよ。一番になるからさ。

それでは。

岡田 彰大

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